「雨ニモ負ケズ」放課後等デイサービスminori.lab

 この間、Tくんに詩の朗読を頼まれました。 

雨にも負けず、風にも負けず…から始まる、宮沢賢治の有名な詩です。  

この詩は文字で追うとなんだか強力なイメージがありますが、朗読していると、そこから不思議と弱さや優しさ、穏やかさがにじみ出てくるような感じがしました。  

実は、この詩を書いたとき、宮沢賢治は闘病中でした。

自身の不健康と、そして最愛の妹を亡くした悲しみ…そんな最中に残したもののようです。  

だから、謙虚ながらも強く、人の心に響く詩になったのでしょう。  

新しい発見に導いてくれたTくんに感謝です。 

 〜 

 雨にも負けず 

風にも負けず 

雪にも夏の暑さにも負けず 

丈夫な体を持ち 

欲はなく 

決して怒らず いつも静かに笑っている 

1日に玄米4合と 

味噌と少しの野菜を食べ 

あらゆることを 

自分を勘定に入れず 

よく見聞きし 

分かり 

そして忘れず 

野原の林の下の蔭の 

小さな萱ぶきの小屋にいて 

東に病気の子供あれば 行って看病してやり 

西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を負い 

南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくてもいいと言い 

北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い 

日照りのときは涙を流し 

寒さの夏はおろおろ歩き 

皆にデクノボーと呼ばれ 

ほめられもせず 

苦にもされず 

そういうものに 私はなりたい 

(宮沢賢治「雨ニモマケズ」)

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